目覚めたら初恋の人の妻だった。
向き合うしかない
『今日、少し帰りが遅れる。』
スマホに届いたらメッセージで察した。
姉に逢うのだと
もう限界を迎えていた自分に嘘をついて生きていく事にも
愛されていると思い込もうとする弱い自分に辟易していた。
『終わらせよう!』
独り言ちると何故かスッと自分の中の何かが炭酸水のように
スッキリした。
私は未だ20代だ!仕事もある。
過去と人は変えられない でも、自分と未来は変えられる。
私が弁護士になったのは人に振り回されないように生きる為だった
原点を忘れていた。
大丈夫! きっと 何時か笑って何もかもが過去の事になって
友達に、もしかしたらまだ見ぬ我が子へ話す時が来るはず!
睡眠不足と食欲不振でフラフラだった身体が急に軽くなって
事務所を飛び出し、タクシーに乗り、一那の会社前に乗り付けた。
タクシーを側道に留めたまま、会社のロビーを凝視している
私はきっと運転手さんからしたら鬼のように見えていただろう
職業柄、こんな事もあるのか運転手さんは何も言わず前を見ていてくれたのが
せめてもの救いだったかもしれない。
定時から少しすると1人で出て来た一那に安堵する反面、
流れるような動きでタクシーに乗り込む姿に絶望を味わう。
心の何処かで義父が居てくれたら会食だと思えたのに、
同僚がいたら飲み会だと安心したのに・・・
タクシーが止まったのは有名な高級ホテル。
案の定、姉がロビーに居るのが目に入り、悲しい気持ちより、
ストンと何かが嵌った。
私の中に巣食っていた嫉妬や2人をのぞき見する
後ろめたさがスーッと消えていく。
”終わらせたい”その気持ちだけが私を突き動かす。
当たり前の様に慣れた風で一那の半歩後ろを歩く見覚えのある
懐かしい姉の姿に、こんな状況なのに心が揺らぐ
懐かしさと愛おしさと嫉妬。
もう、その一連の動作で自分の負けを悟ったけれど、違う
初めから一那は私の夫では無かった。
2人はエレベーターに乗り込んでしまい、それ以上は追えなかった。
イヤでも一那が姉をどれだけ大事にしているのかが解る。
例え食事に来ているとしても、ここのレストランはハイクラス。
簡単に予約なんて取れない。
前もって予約したのか、加瀬家のネームバリューか
いずれにせよ、私とは記念日や誕生日の時にしか訪れることのない
クラスのホテルを当たり前の様に利用している事実。
納得する部分と軽んじられていると突きつけられて現実に
私だって との想いが過ぎり、フロントに足を向けた。
スマホに届いたらメッセージで察した。
姉に逢うのだと
もう限界を迎えていた自分に嘘をついて生きていく事にも
愛されていると思い込もうとする弱い自分に辟易していた。
『終わらせよう!』
独り言ちると何故かスッと自分の中の何かが炭酸水のように
スッキリした。
私は未だ20代だ!仕事もある。
過去と人は変えられない でも、自分と未来は変えられる。
私が弁護士になったのは人に振り回されないように生きる為だった
原点を忘れていた。
大丈夫! きっと 何時か笑って何もかもが過去の事になって
友達に、もしかしたらまだ見ぬ我が子へ話す時が来るはず!
睡眠不足と食欲不振でフラフラだった身体が急に軽くなって
事務所を飛び出し、タクシーに乗り、一那の会社前に乗り付けた。
タクシーを側道に留めたまま、会社のロビーを凝視している
私はきっと運転手さんからしたら鬼のように見えていただろう
職業柄、こんな事もあるのか運転手さんは何も言わず前を見ていてくれたのが
せめてもの救いだったかもしれない。
定時から少しすると1人で出て来た一那に安堵する反面、
流れるような動きでタクシーに乗り込む姿に絶望を味わう。
心の何処かで義父が居てくれたら会食だと思えたのに、
同僚がいたら飲み会だと安心したのに・・・
タクシーが止まったのは有名な高級ホテル。
案の定、姉がロビーに居るのが目に入り、悲しい気持ちより、
ストンと何かが嵌った。
私の中に巣食っていた嫉妬や2人をのぞき見する
後ろめたさがスーッと消えていく。
”終わらせたい”その気持ちだけが私を突き動かす。
当たり前の様に慣れた風で一那の半歩後ろを歩く見覚えのある
懐かしい姉の姿に、こんな状況なのに心が揺らぐ
懐かしさと愛おしさと嫉妬。
もう、その一連の動作で自分の負けを悟ったけれど、違う
初めから一那は私の夫では無かった。
2人はエレベーターに乗り込んでしまい、それ以上は追えなかった。
イヤでも一那が姉をどれだけ大事にしているのかが解る。
例え食事に来ているとしても、ここのレストランはハイクラス。
簡単に予約なんて取れない。
前もって予約したのか、加瀬家のネームバリューか
いずれにせよ、私とは記念日や誕生日の時にしか訪れることのない
クラスのホテルを当たり前の様に利用している事実。
納得する部分と軽んじられていると突きつけられて現実に
私だって との想いが過ぎり、フロントに足を向けた。