生徒会長に溺愛され過ぎて仕事ができません!
「好き」
気づいたら、私は会長にに抱きしめられていた。
自分じゃない、会長の体温が伝わってきて、びっくりして、涙もとまった。
「・・・」
「泣かせて、ごめん。」
会長はそう言うと、私の頬に手を当てて、涙をぬぐうと、
私を引き寄せて、
「咲夜は俺と一緒にいてくれればそれでいいから」
「・・・?」
「仕事も何もしなくていいから、ただ俺の隣にいてくれるだけでいいから」
声が優しく、甘くて、真剣さっていうのかな、
私の目を真っすぐに見つめてきて、
私は、自分にとって初めての感覚がして、心臓がドキドキ鳴る。
体育館並の広さを有する豪華な生徒会室、
貴族のような椅子と机が綺麗に並び、
棚にはお菓子やお皿が綺麗に飾られている。
それほど広い生徒会室のにも関わらず、、、
私は会長の膝の上にいた。
??????????
よくわからない状況に困惑し、いまだ会長とは話せていない。
会長は私を膝に乗せたまま、
パソコンのキーボードを叩いている。
どう考えても私は邪魔でしかないだろうに、放そうともしない。
会長は私よりも圧倒的に身長が高いから、
(私145㎝、会長、推定180以上)
私の頭でパソコンんの画面が見えないってことはないのかもしれないけど、、、
なんとなく申し訳なくて、でも、どうすればいいかわかんないし。
「終わった」
そう言ってパソコンを閉じ、私を自分の上から降ろすと、、、
「っっっ…???」
軽々と私を持ち上げてお姫様抱っこ…!?
会長の王道が予測不能過ぎて、
だけど怖くなくて、
会長の大きなな手と薄く筋肉のついた美しいい腕に包まれて、
不思議だけど、安心できる。
あんなに怖いと思ってた会長だけど、
会長の吐息が顔にかかっただけで、くすぐったくて、心臓がドクドクして、
「っちゅ」
・・・?
「咲夜が可愛い過ぎて我慢できないわ。」
ゆっくりと絨毯の上に降ろされると、、、
「キスしていい?…さっき聞く前にしちゃったけど、」
「・・・」
突然のことに固まってしまう私。
「ここ、生徒会室の入り口から死角になって見えないし、」
何かに言い訳をするようにそう付け足した会長は、ほんのり顔が赤い。
「好きなの咲夜が、ずっと。」
「咲夜は覚えてないかも、しれないけど…。」
真っすぐ私を見る目は少しうるんでいて、
私だけしか見えていないような、熱があって、その真っ黒な瞳に吸い込まれそうになる。
体中が熱くて、苦しい、心臓が口から出そうで、
「嫌だったら拒んで。俺、自分で自分を押さえられる気がしない」
嫌・・・?さっきのキス嫌だったかな?
・・・嫌じゃない、私の知らない感情で自分んでもよくわかんない。
けど、唇が解けそうな程感覚がして頭がくらくらして、
・・・怖い。自分が。男子を怖がらない自分が。
この数分で会長は私の何も変えてしまったんだろう。
普段だったら男子が近くにいるだけで怖くて怖くて、
でも今は、さっきのふわふわとした感触、会長のあたたかさが…欲しい。
「…っしたいです・・・」
静かな生徒会に微かに声が届く。
もう、何が何だかわかんない、ただ会長が。
「好き過ぎる」
生徒会に響く、優しくて、甘くて、熱い吐息。
頭が全部ふわふわして、何も考えられないし、考えることを私が拒否してる。
「大好き」
会長の甘い声に意識が遠のいていく。