本当の君を教えて
「…え?」



急に下の名前で呼ばれて振り返ると、黒髪で着崩した学ランを着た男の人が私を見て目を見開いていた。


だ、誰!?


私を下の名前で呼ぶ男子なんて知らない。



「ンだよ、その顔。……あー、お前覚えてねぇのか」


はいぃぃ!その通りです!!



ど、どどどうしよう……



私の名前を知ってるって事は絶対会ったことある。
なのに私は覚えていない。



失礼にも程がある!



「ま、仕方ねぇか。こんだけ時間空いてればな。特にお前なら」



早く!早く思い出せ!


怒ってるかな?



「別に怒ってねぇよ、呆れてるだけだ」



怒っていらっしゃる!

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