俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

 このとき得た情報が役に立ったのは、彼女が風邪をひいて熱を出したとき。単純に心配もしていたので、見舞いも兼ねてプリンを買っていった。

 研修医も使わせてもらっている冷蔵庫にこっそりしまっておいたそれを、彼女たちが休憩になるだろう昼頃に、なんとか時間を作って持っていく。その慌ただしさを感じさせない笑顔で、末永さんに差し出した。


「末永さん、プリンがお好きだって聞いたので。風邪は治ってきているようですが、よかったらどうぞ」
「えっ、ありがとうございます! しかもパティスリー・カツラギじゃないですか! 私、一度食べてみたかったんですよ~」


 無邪気に喜びを露わにする彼女を見て、満足感に浸る。


「皆でいただきますね。本当にありがとうございます!」


〝皆で〟……か。本音を言えば末永さんだけのために買ってきたのだが、まあそういう流れになるのは仕方ない。むしろ、ちゃんと仲間に気を遣える人なのだとわかって好感度が高まった。
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