俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
しかし、それだけでは彼女の気を引けないとわかった。
なぜって、彼女は鈍感だから。インパクトを与えなければ、きっと意識してもらえない。
そう思うようになってから毒舌を隠すことがなくなり、末永さんも俺に対して遠慮なく言い返してくるようになった。
色恋の関係には遠ざかったような気もするが、とにかく彼女の特別な存在に居座りたかったので、これはこれでよかったと思っている。心を許してもらえたようで嬉しくもあった。
焼き鳥屋で偶然会って一緒に飲んだときは、彼女のほうから悩みを明かしてくれた。
セックスが苦手だというのには多少驚いたが、これは俺にしてみればたいした問題ではない。
元カレのほうに原因があるのはほぼ間違いないだろうし、もし本当に不感症だったとしても克服できると予想している。テクニックどうこうではなく、彼女を愛している気持ちを存分に伝える自信があるから。
それ以上に厄介なのは、好きだと言ってきた相手を好きになる傾向があるということのほうだ。
それは一種の錯覚のようなもので、『あとになって本気の恋じゃなかったんだなって気づいて別れる』と言っていたが、頃合いを見計らって想いを伝えようとしていた俺は頭を抱えてしまう。