俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
それからしばらくは、心臓血管外科に最新の医療機器が導入され、その知識や技術を習得するために再び慌ただしく過ごしていた。
より子に会う機会も減り、じれったい日々が続く。俺の家に泊まらせたあの夜、眠っている彼女にキスしたくなる衝動を堪えていたときも、相当悶々としていたが。
あのとき呪文をかけるように言った言葉には一応効果があったらしく、どうやら婚活はやめたらしいのでひとまず安堵する。
しかし、彼女に近づこうとする男が現れた。
足を怪我している三十代くらいの男は、俺が図書室を通りかかるときに必ずと言っていいほどより子に話しかけているのを見る。調べると、名前は円城というらしい。
一体なんなんだ、あいつは。医者仲間には目を光らせていても、さすがに患者まで警戒することはなかったから、言いようのない不安を感じる。
胸をざわつかせること数日、患者の状態を確認するため病棟を巡回していたとき、たまたまその男が看護師の女性に声をかけている場面に出くわした。雰囲気から、口説いているのが丸わかりだ。
あいつ、より子に気があるんじゃなかったのか?と猜疑心を抱き、なに食わぬ顔でふたりに近づく。