俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
いつものごとく憎まれ口を叩き合って帰り道を歩きながら、円城の話を切り出した。
やはりより子にはいい顔をしていたようで、ヤツの本性を明かすと動揺し、肩を落としていた。
それが無性に癪に障る。あいつなんかのことでそんなふうに残念がるなよ。
「わかったら、あんな男は切り捨ててさっさと次へ進むべきです。あなたを欲しがっている人はほかにいますから」
言葉の端々にイラ立ちが滲み出している。彼女も眉根を寄せ、俺を睨むように見上げる。
「適当なこと言わないで。そんな人がいないから困って──」
「ここにいるよ」
彼女の言葉を遮り、熱い視線を送る。
「俺と結婚すればいい」
適当でも茶化しているわけでもなく、真剣にプロポーズすると、より子は水晶のように綺麗な目を大きく見開いた。
彼女が奪われないようにする最善の方法は結婚しかない。彼女の心を俺に向かせるのはそれからでいい。むしろ一緒に暮らしたほうが、間違いなく意識してもらいやすいだろう。