俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
俺が両親から子供を望まれているのも、医者としての自分に自信が持てるまで結婚をする気がなかったのも本当だ。
今ならより子を守っていく覚悟はできているし、子供を欲しがっている彼女の気持ちにも応えられる。
子作りのときしか抱けなくてもいい。彼女がずっと俺のそばにいてくれるなら、それだけで。
本心を隠しつつ、もっともらしく理由を述べると、より子はいまだに「好きな人はどうするの!?」と聞いてくる。
俺にずっと前から片想いの相手がいるのは正しいが、フラれているようなものなのでもう忘れてほしい。
それより、今目の前にいる男と築く新たな未来に、一歩を踏み出してほしい。
「俺と一緒になって。より子」
ブーケを持つ冷たくなった手を包み込むと、俺を映す瞳がゆらゆらと揺れた。
彼女が逡巡する時間がとてつもなく長く感じる。しばらくして、彼女は意を決したように俺を見つめ、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
承諾されたのは子作りのための結婚。だとしても胸にじんわりと幸せが広がって、喜びを隠しきれなかった。