俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
うやうやしく頭を下げる彼女は、さっきからずっと照れている。デートのあとも幸せオーラがほのかに漂っていてとても愛らしかったし、こりゃ明神先生もメロメロになるわ、と納得する。
それにしても、まさか伊吹ちゃんの想い人が明神先生で、こんなに早く結婚するとは思いもしなかった。一体どうしたらそういう運命の人に巡り会えるんだろうか。
『運命の人は意外と身近にいたりしますよ』
なんとなく考えていると、急に腹黒ドクターのひと言が脳裏に蘇り、思わず眉根を寄せた。
身近にいたらもう気づいているんじゃ?と反論したくなるも、今は伊吹ちゃんの話を聞くほうが大事だと思考を戻す。
「ね、どっちから告白したの? プロポーズは? こんなの聞くのは野暮だってわかってるんだけど、どうしても気になるのよ!」
「え、え~と……」
伊吹ちゃんが逡巡していたそのとき、私たちの背後から聞き覚えのある声が投げかけられる。
「本当に野暮ですね。お相手がいない今、他人のノロケを聞いたって虚しくなるだけなのに」
突然吐かれる毒にギョッとした。振り返れば、やはり麗しい笑みを浮かべる腹黒ドクターがいて、伊吹ちゃんが「栄先生!」と声を上げた。