俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
一目散に駆け寄り、その場の状況を把握して瞠目した。やっと見つけたより子が寄り添うのは、胸を押さえて苦しんでいる朝美だったのだから。
ここが病院で、より子が助けを呼んでくれてよかった。虚血性心疾患は時間との勝負だ。処置が早ければ早いほど、生存の可能性は高くなる。
すぐさま跪いてより子の肩を抱くと、彼女は俺を見上げ涙を溜めた瞳を見開く。
「り、つき……!?」
「声を上げてくれてありがとう」
落ち着いて言い、彼女を朝美からそっと離して状態を確認する。
まだ発作の症状が治まらないところからして、心筋梗塞に移行する可能性が高いだろう。明日までは待っていられない。
すぐに手術をすることに決め、やって来た看護師に指示を出してカテーテル室へ運んでもらった。
当然俺も行かなければならないが、もうひとつ重要なことがある。心底ほっとした様子のより子に向き直り、両腕を掴んで顔を覗き込む。
「より子、目がチカチカしないか? 頭痛は?」
焦りが滲み出る俺に、彼女はキョトンとして「なんともないけど、なんで?」と返した。やはり自覚症状はないようだが、身体に異常が起きているのは確実だ。