俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
今、一体何時なんだろう。頭痛は治ってきたなと実感していると、廊下で話していた人物がドアを開けたので目をやる。
「律貴……」
一番会いたかった人が現れ、一気に安堵に包まれた。
おそらく先生と話して私の状態を聞いたのだろう。とても心配そうな顔で歩み寄った彼は、私の手を握って深く息を吐き出す。
「より子……よかった、ふたりとも無事で」
「律貴のおかげだよ。ありがとう」
先生も言っていたように、これだけで済んでいるのは彼が私の状態をいつも気にかけてくれていたからだ。微笑みかけると、彼の表情にもやっと安堵の色が浮かんだ。
心配させてしまって律貴にも赤ちゃんにも罪悪感が募り、無意識にお腹に手を当てて眉を下げる。
「ごめんね、私がもっとちゃんと気をつけていれば……」
「より子のせいじゃない。この病気はいまだに原因がはっきりしていないんだから。むしろ守ってくれているだろ、俺たちの子を」
反省する私に、律貴は優しく諭して「こちらこそありがとう」と言った。その言葉が温かくてじんとする。