俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
そうなのだけど、自分がMだと言われているようで恥ずかしい。
いやそれより、『優しくしてるだけじゃ意識してくれなかった』って、彼が急に腹黒い一面を露わにしてきた原因は私自身だったってこと?
ピンときた私は、予想外の理由に目をしばたたかせる。
「もしかして、それで態度を変えたの?」
「それもあるし、鈍感すぎて単純にイラッとしたせいでもある」
にこりと笑顔を浮かべて正直に言う彼に、口の端が引きつった。相変わらず表情と言葉が合っていない……。
「とにかく、試行錯誤してたんだよ。好きになってもらいたくて」
一途な想いを知り、胸がきゅうっと鳴く。この人が私のことで一生懸命になっていたなんて、愛しくてたまらない。
「ふふっ……可愛い」
口元に両手を当てて呟き、くすくすと笑う。律貴はちょっぴり頬を染めてむくれると、「俺のセリフ取らないで」と言って額にちゅっとキスをした。
……ああ、幸せだ。早くこの人が待つ家に帰りたい。そして無事に赤ちゃんと対面して、三人で仲よく暮らしたい。
はっきりと想像できるようになったその未来に向けて、もうひと頑張りだと自分を励まし、妊娠期間を乗り切ろうと誓った。