俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
伊吹ちゃんが複雑な表情で「そうですよね……先生、人気ですもんね……」と呟いているので、私は彼をキッと睨む。
「ちょっと水差さないでください。伊吹ちゃんが不安になるでしょう」
「その必要はないですよ。あの明神先生が不倫なんかできるわけがない。末永さんはご友人の旦那様を信じていないんですか?」
「……先生、顔はモテても性格がモテないでしょう。その嫌みったらしいお口じゃ」
ああ言えばこう言う彼にじとっとした視線を向けると、垂れ気味の瞳がこちらを一瞥し、ふっと嘲笑を漏らした。
「顔だろうが性格だろうが、自分の好きな人に好かれなければモテても意味ないですよ」
「それは同感」
珍しく共感できる発言が出たのでうんうんと頷いた。私も、自分の好きな人から告白された経験はほとんどないもの。
それにしても今の言い方、栄先生には好きな人がいるように感じるのだけれど。しかも片想いっぽい。このハイスペックなお医者様に好意を抱かれてもなびかない人がいるのね。
まあ、毒舌な本性を知ったら遠慮したくなる人もいるか……なんて思いながら、話は再び伊吹ちゃんの結婚話に戻っていった。