俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

「ねえ、律貴」


 寝る準備を整えて寝室に入る直前、彼のトレーナーの裾を引っ張って引き止める。


「今日は排卵日じゃないけど……したい」


 火照る顔を俯かせて小声で言うと、彼が息を呑むのがわかった。

 子供を作るためじゃなく、ただ愛し合いたいんだって伝わるよね? そもそもまだ生理は再開していないのだけど。

 数秒硬直していた律貴は、真面目な顔で私の額にぴとっと手を当てた。奇妙に思われているんだろうなと、私は苦笑する。


「熱はありません」
「より子から誘ってくるなんて、どこか具合でも悪いのかと」
「いたって健康です」


 胸を張って答えると、額に当てていた手が下りて頬を撫で、彼の瞳には情欲の色がじわじわと帯びていく。


「いいの?」


 胸が早鐘を打つのを感じながらこくりと頷き、目線だけを上げる。


「これからも、お互いに触れたいって思ったら、しよ?」


 大胆なことを言って急激に恥ずかしくなったのもつかの間、ぐいっと腰を引き寄せて抱きしめられる。

 珍しく動揺したような声で、「ちょっと待って……可愛すぎ」と漏らす彼の耳が赤くなっていて、愛しさで笑いがこぼれた。
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