俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
私も、もうそんな軽い気持ちで交際するのはやめようと固く誓っている。
「私の場合それでうまくいった試しがないので、もうそうやって付き合うのはやめたいんです」
「だから婚活を?」
「そう。そのほうが冷静に相手を見極められるかなって。まあ、うまくいかない一番の原因はほかにあるんだけど……」
苦い過去が蘇り、日本酒をぐいっと呷った。だいぶ酔いが回ってふにゃふにゃな身体でカウンターに頬杖をつき、不満げに口を尖らせる。
「なんで皆、恋人になったらエッチするものだと思ってるんですかねぇ。そういうのが苦手な女だっているのに」
つい赤裸々な本音までこぼしてしまった。栄先生はぴたりと動きを止め、意外そうな目でこちらをじっと見つめる。
「もしかして処女?」
「……一回だけ、ある」
半信半疑な様子で聞かれ、私は正直に答えた。どうしてだろう、話しにくい内容なのに今はするすると言葉が出てくる。
「そのときの彼に、『お前、不感症だろ』とか『つまらない』って言われてフラれたの。ただただ痛いだけで、気持ちよくもなんともなかったから。それっきり、もう嫌になっちゃって」