俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
この歳で苦言を呈されるとは、なんたる屈辱……。いや、本当にその通りなのだけど、あなたが『俺と試してみればわかる』なんて変なことを言うから、調子を狂わされてつい飲み過ぎちゃったのよ。
内心文句をつけてうなだれる私の隣に、微妙な距離を開けて彼がおもむろに腰を下ろす。
「あなたは本当に不用心すぎる。俺も男だっていうのに」
少々機嫌の悪そうな声で呟かれ、私はキョトンとした。
そういえば、栄先生に対しての警戒心はあまりない。それはおそらく……。
「ずっと前から、栄先生のことは信頼しているから」
あっけらかんと言うと、彼の瞳がゆっくりこちらに向けられる。
確かに、酔っ払って男性の家で介抱されるなんて、襲われても文句の言えないシチュエーションだろう。でも、栄先生が女性を軽々しく扱うとは思えない。
私に対しては毒ばかり吐くけれど、対応は紳士的だし。王子様の彼だって、きっと本当の姿だ。それになにより……。
「先生、好きな人いるんですよね? 私なんか眼中にないでしょう。きっと可愛い人なんだろうな」
想われている女性がちょっぴり羨ましくなっていると、栄先生は私から視線を外して小さく頷く。