俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
律貴も私の手に自分のそれを重ね、穏やかな調子で「元気に育ってくれよ」と芽生えた命に語りかける。私と同じく愛おしそうに微笑む彼も、妊娠を喜んでくれているに違いない。
しかし、その顔からわずかに笑みが消えたかと思うと、探るような視線がこちらに向けられる。
「ほっとしてる? もう抱かれる必要なくなって」
ストレートに問いかけられ、ギクリとした。
なぜ律貴がこんなふうに言うのかというと、私がセックス嫌いだから。……いや、嫌いだと今も思われているから。
律貴と身体を重ねるまで、私は男性との行為が苦手で、約三十年の間で一度しか経験がなかった。見た目から誤解されることも多く、信じてもらえないときもあるけれど。
髪は緩いウェーブのロングで、メイクをしなくても派手に見えるような顔立ち。さらにフェミニンな服装を好んでいるせいか、男性から声をかけられることも少なくなく、何人かとお付き合いはした。
ただ、身体の関係を持ちたくないという問題でいつもうまくいかなかった。こうなったのは過去の恋愛が原因なのだが、セックスは嫌いなのに子供が欲しい願望は人並み以上にあったから困っていた。