俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

 そんな面倒な私、末永(すえなが)より子に求婚してきた、物好きな男が律貴である。いつもは嫌みばかりのくせに、『俺と一緒になって、より子』と甘いプロポーズを口にして。

 彼も私も子供を欲しがっていて、目的が一致したからというだけ。だとしても、彼のような人はきっと二度と現れない。

 決心した私は結婚を承諾し、授かりたい一心で身体を許したわけだけれど……。


「そ、そうね。早く妊娠するに越したことはないし」


 ぎこちなく笑い、本心とは裏腹な返事をしてしまった。

 それを聞いた律貴は、探るような目つきを変えずにゆっくり頷く。なんだか心の内を見透かされそうで、ふいっと視線を逸らした。

 本当は、ほっとしているわけじゃない。むしろ、律貴にだったらもっと抱かれてもいいとすら思っている。

 あの夜、私は身も心も完全に堕ちてしまったから。

 子供を作るためだけに結婚して、想い人がいるであろうこの男に──。


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