俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
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午後七時半、リビングの棚に飾った前撮りの写真を眺める私は、そのときのやり取りを思い返して口元を緩ませていた。
左手の薬指には、普段使いもできる上品なダイヤのエンゲージリングが輝いている。これは律貴とふたりで選んだ。形式的なものだが、やっぱり嵌めているだけで彼の妻になったのだと実感が湧く。
先月、無事結婚式を済ませ、五月中旬の今は律貴のマンションでのふたり暮らしにもようやく慣れてきた。とはいえ、お医者様とはすれ違いの生活なので、一緒に過ごした時間はそれほど多くはないが。
一年前の今頃は、彼の腹黒さを知って驚いていたっけ。当時を思い出しては、時の流れる早さに驚いている。
あの頃は想像もしなかった。栄先生と結婚して、子作りをしようとしているなんて。
人生って本当になにがあるかわからないなと思いながら、写真立てから手元のスマホに目線を落とした。表示されているのはアプリのカレンダーで、今日の日付に赤いマークがついている。
生理を管理しているこのアプリによると、今日が排卵日らしい。今夜……誘ってみる?
意識すると急に緊張してきて、律貴の帰りを待っている今からドキドキして落ち着かない。