俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
結婚して一緒に暮らしている最も近い存在だから、特別になるのは当然かもしれない。でも、それだけのせいじゃない。ひとつに繋がっている今、なぜかはっきりとわかる。
この人が愛しいって、自然に気持ちが湧き上がってくる。
自ずと彼の首に抱きつき、潤んだ瞳で見つめると、官能的な表情の中に柔らかな笑みが生まれる。
「可愛い、より子」
「律貴……っ」
「ずっと、こうしていたい」
たびたびかけられる甘い言葉がすごく嬉しくて、同じくらい切なくなった。心の奥からその両方が溢れそうになる。
何度も腰を打ちつけられ、キスの合間に名前を呼び合う。呼吸が浅くなって胸が苦しいのは、こうやってセックスをしているせいだけじゃない。どんな医者でも治せない、甘くて苦い心の病気の症状だ。
プロポーズされたときも、この結婚の目的を再確認するときも、どうして切なくなるのかがわかった。私が欲しいのは、子供だけじゃないからだ。
私は、律貴の心が欲しい──。
茫々とした意識の中で確かな望みを抱きながら、私は奥で注がれる愛しい熱を余すことなく受け止めた。