俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
今月の始め、私の実家に妊娠報告も兼ねてふたりでお邪魔したときのこと。父が、最近になって息切れが酷くなり寝ているときに呼吸が苦しくなる、となにげなく話したのがきっかけで、律貴はその時点である程度見当をつけていたらしい。
詳しい検査をするよう促し、白藍で受けた結果、四段階で示される血液の逆流量がもっとも多い四の段階であると判明。
早めに手術を受けたほうがいい状態で、律貴から丁寧に説明してくれた。
『心臓の弁を取って人工弁に取り替える、弁置換術というものを行います』
『弁を……取り替える……』
説明を聞く父の顔はものすごく強張っていて、怯えた様子だった。これまで大きな病気も怪我もしたことのない父にとって、心臓の手術だなんて恐ろしい以外の何物でもなかったに違いない。
私も不安にならなかったわけではないが、律貴が担当してくれる安心感は大きかった。
『比較的リスクの低い手術なので、あまり心配なさらないでください。二、三時間で終わるもので、開胸もせずに済みますから』
彼が終始穏やかに語っていた通り、胸骨を切る開胸手術ではなく、右脇の下を数センチ切るだけで済んだ。