俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

 術後二日ほどは寝返りを打つだけでもつらかったようだが、六日目の今日はすでに元気そう。


「心臓の手術をしているのに、こんなに小さな傷で済むとは驚きだ。律貴くんは若いのにすごいな」
「そうだね。私も尊敬してる」


 目を輝かせて感心している父にクスクスと笑いつつも、律貴が褒められるのは私も嬉しかった。

 リスクが低いとはいえ、開胸手術より作業できる視界が狭いし、指が届かない肋骨の間に細長い器具を入れて切開したり縫合したりする技術も必要となる。決してラクな手術ではない。


『簡単か難しいかと言われれば難しい部類に入るけど、何度もやって慣れてるから大丈夫』


 父のいないところで、律貴は自信ありげにそう言った。彼のことだから、きっと人知れず練習したのだろう。

 改めて彼の頼もしさを感じていると、病室のドアが開いてちょうど本人が入ってきた。

 紺色のスクラブに白衣を羽織った姿はとても凛々しいが、こちらへやってくると私の旦那様としての顔を覗かせる。
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