俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

「お義父さん、具合はいかがですか」
「まだ傷は痛むけど、だんだん身体が動くようになってきたよ。でもリハビリでは泣きそうになってる」


 あっけらかんと弱音を吐く父に、律貴は穏やかに笑った。

 両親と彼の仲はとても良好で、そのやり取りを眺めているとほっこりする。

 私も律貴の家族に相変わらずよくしてもらっているし、恵まれているなと思う。周りの既婚の友達からは、相手の家族とのゴタゴタもよく聞くから余計に。

 栄家の皆さんに妊娠を報告したときは、それはもう大喜びでめちゃくちゃ感謝された。外国人のリアクションみたいで笑ってしまうほど。

 栄家は医者の家系ではあるものの、子供に同じ道を進んでほしいだとかのこだわりはないらしい。ご両親が孫を熱望しているのも、ただ単にちびっこが好きだという理由なので、その辺りはほっとしている。

 律貴は電子カルテを見ながら穏やかに説明する。


「レントゲンやエコーにも問題ありませんでしたし、良好ですよ。あとは血液の凝固数値が安定すれば退院できますからね」
「それはよかった。やっぱり家が一番だからなぁ」
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