俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
「幸せなのは僕のほうです。より子さんとずっと一緒にいたいと願っていたので」
彼の口から思わぬ言葉が飛び出し、目を丸くしてつい凝視してしまった。
……なにも取り繕っていないような凛とした表情で、そんな甘いセリフを口にしないでほしい。今のが本心だと勘違いしちゃうじゃない。
忘れちゃいけない、この人は王子様の振る舞いを完璧にできる人なんだから。私の胸も簡単にときめいたりしないで。
頬も火照っているのを感じて目を泳がせていると、父が突然胸を押さえて悶え始める。
「はぁぁ……今、心臓がキュンっと……傷が開きそうだ」
「なんで」
完全にふざけている父に私は顔を歪ませてツッコみ、律貴はおかしそうに笑った。
彼と視線を合わせれば、いたずらっぽく目を細められる。ああ、やっぱり出まかせなんだろうなと残念な気持ちになりつつも、表面上ではぷいっとそっぽを向いた。