俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
数日後に父は無事退院し、九月の下旬には私も妊娠六カ月に入った。胎動もはっきり感じるようになったのだが、今回の検診ではうまく見られず赤ちゃんの性別はわからずじまい。
仕事は産休に入るギリギリまで続けるつもりだ。しばらく伊吹ちゃんがいなくて寂しいのだけど、新しく入った後輩の女の子とも仲よくやれているので問題ない。
実は伊吹ちゃん、結婚式を終えた翌月に妊娠が発覚し、先月ひと足先にママになったのである。
出産ラッシュになってしまって雇ってくれている病院に対しての申し訳なさもあるけど、幸い白藍はとても理解があるし人員も足りているのでよかった。
生後一カ月は過ぎた頃だし、そろそろ伊吹ちゃんにも赤ちゃんにも会いに行きたいな。
以前彼女が作ったポップを見て恋しくなりながら、午後に行う読み聞かせの準備をしていたとき。休憩から戻ってきた元気な後輩の柚ちゃんが、なんだか必死な様子で私に迫ってきた。
「より子さんより子さん、今看護師の友達からよからぬ噂を聞いちゃったんですけど!」
ルーズなポニーテールを揺らしてカウンターの中に駆け込んできた彼女に、私は若干身体を引いて目をしばたたかせる。