俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
こんなふうになるのは、彼が上手だから? それとも、私が彼を好きだから? どちらにしろ、身体も心も虜になっているのは間違いない。
あの夜と同じく「気持ちいい?」と聞かれ、うっかり頷きそうになるも、ここで陥落するわけにいかないと耐える。あれほど〝セックスは嫌い〟と言っていたのに、全然そんなことないじゃないかって笑われそう。
顎を上げて彼のほうを振り仰ぐ。もうおかしくなりそうなのだと訴えたいが、「律貴……っ」と名前を呼ぶだけで精一杯。
眉を下げ潤んだ瞳で見つめると、彼は一瞬苦悩するように表情を歪めた。そして、私の肩にコツンと額をくっつける。
「あー……理性飛びそう。このまま入れたい」
本能むき出しのひと言が聞こえると共に、熱く固いものが腰の辺りに当たるのを感じ、私はさすがに危機感を覚えて我に返る。
「なに言って──!」
「大丈夫、しないよ。子宮を収縮させたらいけない。ひとまず子作りは必要ないしね」
律貴は猛々しさを潜めて穏やかに微笑み、私から手を離した。
しかし、最後のひと言はやっぱり寂しいもので、私の中の熱も徐々に引いていく。私たちの関係は子供を作るためだけのものだと、わかってはいても改めて思い知らされるとつらい。