俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
それから約四年が経ち、後期研修を終えた栄先生は、現在専門医二年目となった。
白藍の心臓血管外科には、若くして執刀経験が多く手術の成功率も高い、明神先生という凄腕ドクターがいるが、彼に次いで筋がいいと言われるほど。
彼が着々と医者としてのキャリアを積んでいる一方、私は三十歳目前にして彼氏もおらず、最近になって婚活を始めた。それもまったくうまくいかず、冴えない日々を過ごしている。
栄先生はそんな私にも優しく、会えばいつも王子様スマイルで微笑みかけてくれる。
驚いたのは、私が風邪をひいたときだ。たまたま図書室に来た彼が、マスクをして配架している私の体調を気遣ってくれた。
『鼻声ですね。大丈夫ですか?』
『ちょっと風邪気味なだけですよ。お気遣いありが……』
笑ってお礼を言おうとしたものの、突然『失礼します』という声と共に彼の手が伸びてきて、私の額に触れる。
びっくりして目を見開いたまま固まっていると、次は私の手を取って手首に指を押し当てた。されるがままでいる私に、彼は真剣な表情で告げる。
『触れただけで熱いってわかりますけど、脈拍も速いので熱がありますよ。休めるようなら休んでください』