俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
中途半端に疼かされた身体を自分で抱きしめるように腕を掴むと、含みのある声が投げかけられる。
「今はちょっと、お仕置きしたくなっただけ」
「へ?」
お、お仕置きって……そんなことをされるような覚えはないわよ!?
頭の中にハテナマークが並ぶ。どことなく意地悪な笑みを浮かべている彼に、とりあえず聞いてみる。
「私、なにか悪いことした?」
「なにかしたわけじゃないけど、無自覚で鈍感、あと意地っ張りなところが」
「それただの悪口!」
あーだこーだと言い合っているうちに話が逸れていき、結局彼の真意はわからずじまいだった。
このままの関係も楽しいけれど、やっぱり物足りない。すぐ不安にならないように、身体だけじゃなくて心も繋がりたい。
そんな本心をさらけ出したら、あなたはどんな反応をするだろう。彼の心が今どこにあるのか、怖がらないではっきりさせたほうがいいのかな……。
話が途切れ、再び辺りは静寂に包まれる。ふたり並んで満月が映る暗い海を眺め、私はしばし思いを巡らせていた。