俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
意地を張るより素直になりたい

 伊豆デートから約二週間が経ち、七カ月目の妊婦検診でようやく性別は女の子の可能性が高いと判明した。これで名前も本格的に考えられるし、ベビー用品もそろえるのがさらに楽しみになった。

 ただ、ここへ来て『血圧が少し高めだから気をつけるように』と注意されてしまった。妊娠後期に高血圧になる人は少なくないが、妊娠高血圧症候群になるととても危険なのだそう。

 律貴のすすめもあって家でも毎日血圧は測っている。あとは塩分の取りすぎや体重の増加に気をつけて、このまま何事もなく出産に漕ぎつけるようにしなければ。

 妊娠にまつわる本も読んでおこうと思いつつ、今日もカウンター内でラベル貼りの作業をしていると、ひとりの女性が図書室をぐるりと見回してこちらへやってきた。

 栗色のふわふわした長い髪に、あどけなさがありつつも綺麗な顔立ちの子だ。ガーリーなファッションからして、おそらく私よりも若い。


「すみません、通院しているだけでも図書室って利用できますか?」


 声も可愛らしい彼女に問いかけられ、私は笑顔で頷く。
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