俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
そう言われて、初めて自分が発熱していると気づかされたのだ。ただぼーっとするな、くらいにしか感じていなかったので、さすがお医者様だと感心してしまった。
ただ、脈拍が速かったのは急に栄先生に触れられたせいでもあるんじゃ……と、あとになって思ったけれど。
その数日後、風邪もだいぶよくなってきたところへ彼は再びやってきた。私が大好きなプリンを片手に。
『末永さん、プリンがお好きだって聞いたので』と、どこから情報を仕入れたのか好物をお見舞いの品にしてくれるなんて、対応もイケメンではないか。
とにかく誰でも堕ちてしまいそうないい男なのである。図書室に来る患者の皆にも分け隔てなく笑顔で接していて好感度大だし、それを見るのも密かな癒しになっていた。
……ところが。最近、先生は私の後輩司書である浜菜 伊吹ちゃんを気に入っているのでは?という噂を小耳に挟んだ。
伊吹ちゃんはとても可愛いし見るからに清純で、男からしたら放っておけないタイプだろう。推しに熱愛が発覚するような、ちょっぴり残念な気持ちにはなるけれど納得だった。
研修を終えたあともよく図書室に来るのは、そういう理由だったのね。まあ、私は目の保養さえできればそれでいい。