短編『ラブミー、秋津くん』


 議論している最中で意見がぶつかっても決して感情的にならず、反りが合わない相手とも円滑なコミュニケーションを模索していく。

 そんな彼のクールな姿は、私の心を鷲掴みにしてしまったのだ。


 ただ、私は知っている。

 彼のような、いかにも大人しそうで、一見女っ気がなさそうなタイプでも、決して油断してはならないことを。


 こういう人こそが、周りの気づかぬうちに、同じような控えめの女の子とくっついているものなのだ。


 それに、秋津くんは落ち着いていて目立つような人ではないけれど、凄くかっこいい。

 服装はいつもシンプルにまとまっていてさり気なく彼の美的センスを感じるし、髪型もすっきりとした黒髪で爽やか。

 目が合ったときなんて、潤んできらきらと輝く瞳が星空みたいで吸い込まれそうになるし、それに加えて微笑んだ顔を見てしまった日にはズッキュンバッキュン、ハートを射止められてしまうこと間違いなしだ。

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