日陰のベンチで、あなたに会いたい
ぼうっと考えていると、僕の前の席に座る友達が話しかけてきた。
「なあなあ、さっき聞いたんだけど一年に美人な子いるらしい!
ちょっと近寄りがたい雰囲気あって、高値の花って感じなんだってー!
見てみたくね!?」
目をキラキラさせながら話しかけてくる友人。
コミュ力が高く多くの友達がいるこの友人は、またどこかから情報を仕入れてきたらしい。
特にその美人に対して興味のない僕は、「別に」と即答で返した。
「クッソ~イケメンはこれだから!
僕は女に困ってないってか?
嫌味か、嫌味なのか!」
悔しそうに顔を歪めて、僕を睨みつけながら言う。
僕をねめつけていたと思ったら、その表情から一転あきれ顔になり、「でも」と続けた。