日陰のベンチで、あなたに会いたい
「まあ、お前ならそういうと思ったけどな。
洸って女子にほんと興味ないもんなぁ。
興味なさ過ぎて、男が好きなのかと思った時があったくらい」
「別に興味ないわけじゃない」
普段だったらスルーするところだが、
今は気になっている子がいるからか、言い返してしまった。
顔には出さないが、慌てて
「でもそれ以上に鬱陶しいと思う場面が多いだけだ」
と付け足そうとすると、僕が言葉を付け足すより先に遮られた。
「え! 何それ珍し!
いつもならスルーするくせに……!」
やはり、僕らしくない反応だったらしい。
やばい。完全に失言だった。
「何、気になる子でもできたの?」
声のボリュームを落として、目の前の友達は僕を人差し指の先でつつきながら聞いてくる。
……鬱陶しい。
この話題はまずい。
何とかこの話題から逃れなければ。