日陰のベンチで、あなたに会いたい


「そんな子いない。

つーか、お前、課題終わったのかよ。 

もうちょっとで4時間目終わるぞ。

終わんなかったやつ放課後居残りだって言ってたぞ」

僕の言葉を聞いて、顔を青くしたバカな友人は、「そうだった!」と慌てて課題を再開した。

よし、何とか会話を中断できたことに安心した。

今まで生きてきて、こんなに異性に興味を持ったことがないから、今の僕は何を口走るか分からないということが分かった。

だいたい、自習中で周りの生徒も多少しゃべっていて、声のボリュームを落としているとはいえ、近くにいる人いる教室でこの話題を話すのはリスクが大きい。

人の口には戸が立てられないというし、どこからどんな風に情報が回るかなんて分からない。

特にこの友人は友好関係が広いから、友達ではあるが油断できない。

あと、偏見だとは知ってるが、女子の噂話は面倒くさいし、鬱陶しいというのを今までの人生の中で痛いほど味わってきてる。

これから言動に気を付けるようにしなければ……!
< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop