闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

どれだけ調べても、あるきまわっても、お目当てのお店を見つけることはできていなかった。


太陽はすでに傾き始めていて街はオレンジ色に染まってきている。


「なんの手がかりもないんじゃ、やっぱり難しいのかも」


駅前まで戻ってきて落胆した声を漏らす。


だけど諦める気は最初からなかった。


途中100円均一で購入した街の地図に赤ペンで今日探した場所を丸く塗りつぶす。


明日はこの赤丸の隣の地区を探してみよう。


そうやって1日1箇所ずつ潰していけば、嫌でもお店にぶち当たるはずだ。


でも、なかったら?


そう考えてアリスはすぐに左右に首を振った。


そんなことは考えないようにしよう。


好みのタイプだって1日で探し出して、髪の毛まで手に入れることができたのだ。


私はついている。


お店だってきっと見つかる。


自分のそう言い聞かせて暗くなった街を歩く。
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