闇夜ヨルの恐怖記録 3
「ねぇアリス、晩ごはんはどうする? なんでもおごってあげるよ」


「ありがとう。でもコンビニのおにぎりでいいから」


アリスはカイに何を話しかけられても上の空だった。


適当に相槌をうち、適当に受け流し、ちょっと会話が長いとつい怒鳴って黙らせてしまう。


だって仕方がない。


今は彼を探しているんだから。


カイが買ってきてくれたおにぎりを口に入れて、また監視を再開する。


けれど結局彼が会社から出てくることはなかったのだった。
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