闇夜ヨルの恐怖記録 3
2人の会話がふと途切れたとき、公園の入口からキユナの声が聞こえてきた。


「アリス!!」


キユナが走って近づいてくる。


できれば2人きりにしておいてほしいと思ったが、キユナも自分を心配してくれていたのだと思い直す。


そして、全部正直に話してしまおうと。


「アリスどこにいたの? また連絡がつかなくなるから心配したんだよ!?」


「ごめんねキユナ。あの……実はちょっと話しがあるんだけど」


アリスはそう言うとベンチから立ち上がり、カイから離れた。


本人には聞いてほしくなかった。


「私の彼氏なんだけど、本当は違うの」


「え?」


突然の告白にキユナは眉を寄せている。


「前に偶然手作り人間工房っていうお店について知って、そこで作ってもらったクローン人間なの。私、キユナに彼氏ができたことが妬ましくて、それでつい……」


説明しながら声がどんどん小さくなっていく。
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