闇夜ヨルの恐怖記録 3
嘘の彼氏を作ってきただなんて言えばキユナは笑うかもしれない。
バカにしてくるかもしれない。
そう思っていたけれど、そのどちらでもなかった。
キユナは泣きそうな顔でアリスに抱きついてきたのだ。
「ごめんね。私が彼氏を作ったから、こんなことになったんだよね?」
「それは……」
違うとは言えなくて口ごもる。
だけどキユナのせいではない。
こうすることを望んだのは自分自身なんだから。
そしてこの辛い別れも自分でちゃんと受け止めないといけないことなんだ。
「アリス」
カイに呼ばれてキユナから身を離して振り返る。
見るとカイの体は黒ずみはじめていた。
ドロドロに溶けて消える。
という言葉を思い出し、息を飲んで駆け寄った。
「カイ、体が!」
「大丈夫だから心配しないで」
カイの声が歪んで響く。
かっこよかった顔がいびつに溶け出して、手を伸ばしかけたアリスはその手でカイを触れることができなくなった。
「ほら笑ってアリス。笑って」
言われてアリスは頬を引きつらせながら笑顔を浮かべた。
カイはすでに見る影もなくドロドロに溶けてしまい、ドロドロの液体がベンチに座っているようにしか見えなかった。
バカにしてくるかもしれない。
そう思っていたけれど、そのどちらでもなかった。
キユナは泣きそうな顔でアリスに抱きついてきたのだ。
「ごめんね。私が彼氏を作ったから、こんなことになったんだよね?」
「それは……」
違うとは言えなくて口ごもる。
だけどキユナのせいではない。
こうすることを望んだのは自分自身なんだから。
そしてこの辛い別れも自分でちゃんと受け止めないといけないことなんだ。
「アリス」
カイに呼ばれてキユナから身を離して振り返る。
見るとカイの体は黒ずみはじめていた。
ドロドロに溶けて消える。
という言葉を思い出し、息を飲んで駆け寄った。
「カイ、体が!」
「大丈夫だから心配しないで」
カイの声が歪んで響く。
かっこよかった顔がいびつに溶け出して、手を伸ばしかけたアリスはその手でカイを触れることができなくなった。
「ほら笑ってアリス。笑って」
言われてアリスは頬を引きつらせながら笑顔を浮かべた。
カイはすでに見る影もなくドロドロに溶けてしまい、ドロドロの液体がベンチに座っているようにしか見えなかった。