闇夜ヨルの恐怖記録 3
キユナがなにを言っているのかわからない。


それじゃまるで私がクローンのような言い方だ。


「アリスは一ヶ月も一緒にいてくれた。友達のいない、私と一緒に」


キユナはまるで聖母のように微笑んでいた。


すべてを知り、そして包み込むような笑顔。


「キユナ……さっきから何を言っているの?」


「アリス、自分のスマホを確認してみて」


促されてアリスはバッグからスマホを取り出した。


「今まで誰から連絡が来た? 学校や、親から連絡はあった?」


答えられなかった。


キユナ意外の誰からも連絡は入っていないと、もう知っていたからだ。


でも、まさか、そんな。


スマホを持つ手が小刻みに震える。


呼吸が乱れて鼓動が早くなり、嫌な汗が背中に流れてくる。


アリスは大きな深呼吸をしてスマホに登録されている人物を確認した。


まずはカイ。


次がキユナ。


次は……誰の名前もそこには入っていなかった。
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