闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

とてもいい夢だった。


できるならずっと見ていたい夢。


朝日が顔に当たって、シュンヤは夢から現実へと引き戻されてしまった。


「起きた? 今日はとてもいい天気よ」


母親の声にシュンヤは深く息を吐き出した。


見えているのはいつもの病室の風景だ。


「そっか」


短く返事をして寝返りをうつ。


今回の入院をする前にシュンヤはサッカーをしていた。


グラウンドでクラスメートたちと一緒にボールを追いかけていたのだ。


もちろん同じようにはいかなかった。


せっかく仲間がボールを奪っても、シュンヤはその足の速さについていくことができない。


何度かパスは回してくれたけえれど、試合はほとんどシュンヤ抜きで行われていたようなものだった。


もっとサッカーをしたい。


思いっきりボールを蹴りたい。


みんなと同じように。


ううん、もっともっと、上達したい。


それにユナとも外で会いたかった。


病室とか病院内にある喫茶店やレストランじゃない、全く別の場所で。
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