闇夜ヨルの恐怖記録 3
彼女たちが興味津々で話しかけてくるのは最初の休憩時間のときだけ。


後々まで仲良くしてくれる可能性は低い。


何度も転校を繰り返しているキユナはすでにそのことを知っていたけれど、彼女らの質問に笑顔で答えた。


できるだけ印象を悪くしたくない。


そして次の休憩時間中、案の定キユナに話しかける子は誰もいなかった。


みんなキユナを気にしてはいるけれど、一通りの質問が終わったから本来の友人たちと一緒に過ごすようになるのだ。


キユナは1人で机に座り、文庫本を取り出した。


このクラスで自分から声をかける勇気はまだ持っていない。


もう少しみんなと打ち解けてから、自分から話しかけよう。


そう、思って過ごしていた。


そのまま1日が過ぎ、2日が過ぎて、キユナはもう誰からも話しかけられなくなっていた。


みんなキユナがつまらない子だと判断したのだ。


休憩中はずっと本を読んでいるし、自分からは話しかけてこない。


困ったことがあってもすぐ先生に質問して解決してしまう。


そんな行動が良くなかったみたいだ。
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