闇夜ヨルの恐怖記録 3
ここが違ったらもう諦めよう。
キユナはそう自分に言い聞かせて工房の扉をノックした。
ノック音はくぐもっていて中まで聞こえているかどうか怪しい。
少し待ってみても誰も出てこないようなので、キユナは扉に手をかけた。
それは鍵がかかっていなくて、少しの力ですんなりと左右に開いてくれた。
部屋の中が見えた瞬間キユナは息を飲んだ。
本、本、本の山だ。
四方を背の高い本棚に囲まれていて、本たちはギュウギュウに詰め込まれている。
それでも入り切らなかった本たちは床に積まれていた。
部屋の中央には黒革の大きなソファが2脚置かれていて、上には等身大らしきロリータドレスを着たお人形が置かれている。
かわいいお人形に思わず見とれてしまいそうになりながらも、キユナは一歩足を踏み入れた。
「あの、こんにちは」
緊張して声をかすらせながら言うと、反応したのはソファの上の人形だった。
「あらいらっしゃい。ごめんね、考え事をしていて気が付かなかったの」
お人形はそう言うと立ち上がり、キユナに近づいてきた。
キユナは咄嗟に後ずさりしてしまうが、その人物が生きた人間であると気がついて胸をなでおろす。
「あの、ここは人間工房ですか?」
「えぇそうよ。さぁ、座って」
お人形のような女性はキユナを店内へ招き入れて、重厚な扉を閉じた。
キユナはそう自分に言い聞かせて工房の扉をノックした。
ノック音はくぐもっていて中まで聞こえているかどうか怪しい。
少し待ってみても誰も出てこないようなので、キユナは扉に手をかけた。
それは鍵がかかっていなくて、少しの力ですんなりと左右に開いてくれた。
部屋の中が見えた瞬間キユナは息を飲んだ。
本、本、本の山だ。
四方を背の高い本棚に囲まれていて、本たちはギュウギュウに詰め込まれている。
それでも入り切らなかった本たちは床に積まれていた。
部屋の中央には黒革の大きなソファが2脚置かれていて、上には等身大らしきロリータドレスを着たお人形が置かれている。
かわいいお人形に思わず見とれてしまいそうになりながらも、キユナは一歩足を踏み入れた。
「あの、こんにちは」
緊張して声をかすらせながら言うと、反応したのはソファの上の人形だった。
「あらいらっしゃい。ごめんね、考え事をしていて気が付かなかったの」
お人形はそう言うと立ち上がり、キユナに近づいてきた。
キユナは咄嗟に後ずさりしてしまうが、その人物が生きた人間であると気がついて胸をなでおろす。
「あの、ここは人間工房ですか?」
「えぇそうよ。さぁ、座って」
お人形のような女性はキユナを店内へ招き入れて、重厚な扉を閉じた。