闇夜ヨルの恐怖記録 3
看護師に聞いても知らないと言われてから、すっかり忘れてしまっていた。


「どうせ嘘なんだろ?」


「本当のことだ。嘘なんかじゃない」


「だけどそんな噂知らないって言われた」


「バカだな。事実だなんて言うわけないだろ?」


2人の間にはとっくにトランプが配り終えていたけれど、2人共それに手を伸ばすことを忘れていた。


「じゃあ、あの噂は本当なのか? 寿命がわかるって?」


「本当だよ。でも、死神に会うためにはいくつか条件がある」


「聞かせてくれ」


シュンヤは前のめりになって質問していた。


布団が歪んで、トランプは何枚か床に落ちる。


「25日が土曜日になる日の夜、第3診察室と第5診察室の間にある壁の前に立つんだ。それから頭の中で第4診察室を思い浮かべる。適当じゃダメだ。本当にそこにあるかのようにリアルに思い浮かべる。そうすると第4診察室が目の前に現れる。後は普通に中に入って死神に会って質問するんだ」


シュンヤはごくりと唾を飲み込んで壁にかけてあるカレンダーへ視線を向けた。


次に25日が土曜日になる日は4日後だ。
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