闇夜ヨルの恐怖記録 3
「どうして25日の土曜日なんだ?」


「この病院ではその日に容態が急変する人が多いんだ。だから死神が病院に来ているって言われてる」


だけど噂の中の死神は魂を持って行かないんじゃないのか?


そう聞きたかったが、やめておいた。


シュンヤは赤ペンでカレンダーの25日土曜日に丸を付ける。


「やるのか?」


「あぁ」


頷くと、ユウキは満面の笑みを見せた。


「結果を聞かせてくれよ」


「一緒に行かないのか?」


てっきりユウキはそういうことには食いついてくると思っていた。


「ダメなんだ。死神は1人で行かないと会えない」


ユウキは残念そうな表情になって言った。


そうなのか。


それなら1人で行くしか仕方なさそうだ。


「わかった。必ず結果を聞かせる」


シュンヤはそう約束して、ようやくトランプが床に落ちていることに気がついたのだった。
< 29 / 163 >

この作品をシェア

pagetop