闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

次に目を覚ました時、シュンヤは病室のベッドの上にいた。


驚いて周囲を見回してみると窓の外はすでに日が高く、母親が花瓶の花を変えてきたところだった。


「あら、起きたの?」


気配に気がついた母親が振り向いて笑顔を向ける。


シュンヤは「あぁ」と曖昧に頷いて自分の体を確認した。


特に変わった様子はない。


あれは夢だったんだろうか?


目の前に顔を突き出してきた死神を思い出して強く身震いをする。


「空調が寒い?」


「ううん、大丈夫」


言いながらもシュンヤは両手で自分の体を抱きしめた。


全身に鳥肌が立っている。


あれは夢なんかじゃない現実だ。


肌が粟立つ感じが、それを物語っていた。


骸骨の口から出てきた腐臭を思い出すこともできる。


自分は確かに第4診察室の中にはいっていたのだ。


そして死神に寿命を訪ねて、80歳だと返事をもらった。
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