闇夜ヨルの恐怖記録 3
「80歳か。シュンヤも私もおじいちゃんとおばあちゃんだね」


「そうだね。でもそれまでずっと一緒にいられるんだ」


シュンヤの言葉にユナは思わず泣きそうになった。


でもグッと目の奥に力を込めて涙を引っ込める。


素敵な話しなんだから、笑っていないとおかしい。


「それで考えたんだけど、ユナと一緒にやることを決めて置こうと思うんだ」


「今から?」


「退院したら、すぐに実行できるようにだよ」


そう言われてユナはカバンの中からノートをエンピツを取り出した。


数学のノートを裏側から開き、シュンヤと一緒にやりたいことを書き出していく。


「ユナが生き物が好きだから、動物園と水族館は行こう。できれば退院したらすぐがいいな」


「そうだね。でもシュンヤは遊園地の方がいいんじゃない?」


シュンヤがジェットコースターに憧れていることをユナは知っていた。


いつか乗ってみたいと思いながらも、体がしっかりよくならなくてまだ乗ったことがないことも。
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