闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆
廊下に出たユナは涙を押さえきれず両手で顔を覆った。
手の奥からくぐもった嗚咽が漏れ出してきて、必死に声を殺している。
その時隣の病室のドアが開いて白いニット帽をかぶった少年が出てきた。
「大丈夫?」
泣いているユナを見たユウキはすぐに近づいてきて声をかけた。
その足取りはおぼつかなくてユナはハッとしたように顔をあげた。
この子もシュンヤと同じように苦しんでいるんだと、その姿から理解できた。
「大丈夫だよ」
ユナは慌てて手の甲で涙を拭い、笑顔を作った。
それでも笑顔は震えて油断をすればまだボロボロと涙が溢れ出してきてしまいそうになる。
ユナはグッと顔に力を込めて涙が押し込めた。
「シュンヤは?」
「うん……たぶん、大丈夫だと思う」
チラリと病室のドアへ視線を向けて答える。
人は死ぬ時にも耳だけは最後までちゃんと聞こえていると言う。
薬によって意識が朦朧としている時でも音は届いていて、なにかよくない話を聞けば血圧などに変化があると聞いたことがあった。
だからユナは眠っているシュンヤの前でも決して悪いこと、嫌なことは口にしない。
廊下に出たユナは涙を押さえきれず両手で顔を覆った。
手の奥からくぐもった嗚咽が漏れ出してきて、必死に声を殺している。
その時隣の病室のドアが開いて白いニット帽をかぶった少年が出てきた。
「大丈夫?」
泣いているユナを見たユウキはすぐに近づいてきて声をかけた。
その足取りはおぼつかなくてユナはハッとしたように顔をあげた。
この子もシュンヤと同じように苦しんでいるんだと、その姿から理解できた。
「大丈夫だよ」
ユナは慌てて手の甲で涙を拭い、笑顔を作った。
それでも笑顔は震えて油断をすればまだボロボロと涙が溢れ出してきてしまいそうになる。
ユナはグッと顔に力を込めて涙が押し込めた。
「シュンヤは?」
「うん……たぶん、大丈夫だと思う」
チラリと病室のドアへ視線を向けて答える。
人は死ぬ時にも耳だけは最後までちゃんと聞こえていると言う。
薬によって意識が朦朧としている時でも音は届いていて、なにかよくない話を聞けば血圧などに変化があると聞いたことがあった。
だからユナは眠っているシュンヤの前でも決して悪いこと、嫌なことは口にしない。