闇夜ヨルの恐怖記録 3
☆☆☆

それは入学式が終わって一週間が経過した日のことだった。


いつもどおり家から学校までの道を歩いていたユナは、前方に見たことのある背中を見つけていた。


中学に入学してから同じクラスになったシュンヤだと気が付き、少し早足になる。


シュンヤは信じられないほど色白で、整った顔をしていて女子の間で密かな人気を持っていた。


シュンヤ本人はそんなこと知らないと思うけれど、ユナもシュンヤに好意を抱いている1人だったのだ。


自然を装って声をかけようと思ったユナは、シュンヤの横に立った。


『あれ、シュンヤ君だよね?』


そう声をかけることももう決めていた。


そしてシュンヤの方へ顔を向けたとき、ユナは言おうとした言葉を飲み込んでしまっていた。


シュンヤの顔は真っ青で、足元もフラついているのだ。


朝からシュンヤに会えた嬉しさのせいで、後から見ていても異変に気がつくことができなかったのだ。


『どうしたの? 大丈夫?』


決めていたセリフも忘れてユナはそう声をかけた。
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