闇夜ヨルの恐怖記録 3
その時嫌でも視界に隣のユウキの部屋が入る。


25日の土曜日は今日だ。


今日の夜第4診察室に入ることができるかもしれない。


そんな思いが脳裏をよぎってなかなかエレベーターへ向かうことができない。


自分はシュンヤの寿命を知って、それでどうするつもりなんだろう?


きっと、どうにもできない。


なにも手伝うことはないはずだ。


頭ではわかっているのに、ユナは隣の病室の前に立ってドアをノックしていた。


『来ると思ってた』


ドアを開けたユウキは嬉しそうに笑う。


ユナは笑顔を作らずに、ユウキの部屋に身を滑り込ませたのだった。
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