闇夜ヨルの恐怖記録 3
ここは何度か患者として来たことのある病院だから、どうにか頭の中で想像することができた。


右手に簡易ベッド。


クリーム色のカーテンに、大きな、灰色のデスク。


先生が座っている椅子も灰色。


それからパソコン画面がある。


そこまで想像したとき、不意に周囲の空気が変わった気がして目を開けた。


第4診察室。


目の前にある部屋にユナは思わず悲鳴をあげてしまいそうになり、両手で自分の口を押さえた。


本当に出てきた!


驚きすぎて呼吸が止まる。


ユウキの言っていた噂は本当だったのだ。


ユナは勇気を振り絞り第4診察室のドアを開けた。


その中は今自分が想像したままの診察室が存在していて、息を飲む。


死神はどこかと顔をめぐらせたとき、窓にかかっているカーテンが大きく膨らんだ。


なにもない空間から、音もなく黒マントを羽織った死神が姿を見せる。
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